みんと

希望の灯りのみんとのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
3.9
凄く身近な題材にスポットを当てた、人に寄り添った作品だった。

舞台はドイツ東部の大型スーパーマーケット。在庫管理担当として働き始める無口な青年クリスティアンが訳ありの同僚達と支え合いながらも、それぞれが抱える影に触れてゆく、、、

フォークリフトの運転に苦戦するクリスティアンを指導し世話をする先輩ブルーノとのエピソードも、恋心を寄せるマリオンとのエピソードも決して派手さは無いんだけどそれぞれにジンと来る。
とりわけスーパーの冷凍室でマリオンとの挨拶のような鼻キス?は可愛いらしくて印象的。

単調なスーパーの日常の中に、むしろその単調な中に、ドイツ統一後、時代に取り残された労働者の虚しさや孤独、そして貧困と言った時代背景が浮かび上がる。

かなり切実で何処か懐かしい、そこら辺に転がってるテーマを淡々としかもあったかく包み込む優しさを感じる。
通して体温を感じると言うか、、、

アキ・カリウスマキ監督の作風と何処か似てて、でも何処か違う。
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