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希望の灯りのArkのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
3.2
建設現場をクビになりスーパーの在庫管理の仕事を始めたクリスティアンは、同僚のマリオンという女性に惹かれていく。スーパーマーケットの中のヒューマンドラマ。


暗くてどんよりした雰囲気の中に、寂しくも優しい空気がある映画。空はいつも曇っていて青空は見えない。スーパーの中も薄暗くて窮屈な感じ。でもクリスティアンと、彼の同僚たちとの人間模様がとてもあたたかい。

以前はワルで刑務所に2年入っていた過去があって、上半身はタトゥーが沢山。でもそんなことはもはや関係ないのだ。同僚たちはみんな、外見的なことや過去は取っ払って彼自身を見る。毎日遅刻せず出勤し真面目に働く……それだけで十分に立派だし、彼の人間性がちゃんと分かる。

誰もが人には言えない秘密や悩みを抱えていて、それは他人には触れられないもの。なんとなく感じる虚無感や孤独感、悲しみも、どうしたって埋められない。それらを丸ごと抱えながらもなんとか生きていける人もいれば、限界が来て諦めてしまう人もいる。どちらも間違いではないけど、個人的には「何か方法があったのではないか?」と考えてしまう。
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