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空母いぶきのyumeayuのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.0
『いてまえー!』

かわぐちかいじの同名漫画が原作。
日本において、メジャーな役者が出演するような大規模なミリタリードラマは非常に珍しいだけに、今作を制作したその心意気は賞賛に値する。
だからといって、映画として面白いかはまた別の話(苦笑)。

予算も規模も違うハリウッド作品と比べてはいけないのだろうけど、どうしても邦画の限界を感じてしまった。
特にCG関係。肝心の戦闘シーンがショボすぎる。盛り上がるはずのドッグファイトも作り物感が目立ってしまい、リアリティを感じませんでした。
そして、酷いなと思ったのは海中のシーン。真っ暗すぎて潜水艦がまったく見えないのは残念でした。

また、原作では中国が攻めてきたという設定ですが、映画版では仮想国に設定変更されていました。
中国への忖度があったとしても、その仮想国にリアリティがなさすぎるのはどうなのか?
しかも劇中、まったくもって敵国側のドラマが描かれないので、政治的な駆け引きはもちろん、敵がなぜ攻めてきているのかもよく分からず…。
これでは『インディペンデンスデイ』と対して変わらない。まるで宇宙人と戦っているような違和感を感じました。

唯一良かったのは、自衛隊員たちの日本を守ろうとする熱い想い。彼らのような男たちが日本を守ってくれているならば、とても心強いと思いました。
一方で政治家たちは案の定ダメダメでしたね。この辺りの描写も出来損ないの『シン・ゴジラ』みたいな感じで微妙でしたが…。

ミサイル1発打つのにも葛藤し、撃墜した敵パイロットの安否を気遣うなど、他の戦争映画では見たことのない描写があったのは、自衛隊という組織の特殊さゆえ。
この辺りの設定をうまく活かしつつ、加えてアジアにおける現在の日本の立場を政治家の視線できちんと描いてくれたら、もっと面白くなった気がします。

コンビニのシーンとかいる??
テーマが非常によかっただけに、その出来栄えにはちょっとがっかりしました。
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