Kzy999

空母いぶきのKzy999のレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.5
ストーリー○
キャスト○
映像◎
印象・インパクト○

本作品では、ハリウッド映画みたいに派手な戦闘シーンとか、元特殊部隊のヒーローが活躍するとか、実は敵がエイリアンだった(笑)とか、大きくエンターテイメント要素を盛り込んで主題をごまかすようなことはなく、今の日本とそれを取り巻く環境下で起こりうる状況の設定と、それに真摯に対応する自衛隊の姿が描かれている。そのため、単なるフィクションと安心していられない気になる。
そういった日本社会への警告というメッセージはよく伝わった。

一方で、今回のような戦争になりかねない危機的状況では、政府の対応が重要であり、当然、その模様も描かれているが、このあたりはやや雑というか、あえてシンプルに分かりやすいシナリオにしたのかな、という印象。あまりにも外務大臣が早い段階から戦闘モードすぎるし、自ら「戦(いくさ)」発言するし、総理大臣との対立軸を際立たせたかったのだろうが、ちょっと焦りすぎ感。このへんはシン・ゴジラのほうがうまくできていたと思う。
あと、結局、中井貴一の役どころって、果たして意味あったのかよくわからない。

全体的には、自衛隊の大変さがよくわかり、感謝せずにいられないと思った作品。
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