かつきよ

空母いぶきのかつきよのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
2.9
【すぐわかる三行解説】

日本が不当な侵略を受けてるゾッ!!

たたかっちゃダメだ!自衛自衛!!!

Silent night♪🎅 Holly night♪🎁


【なんとなくどんな映画がわかる単語集】

・社会派
・リアル
・真面目
・国家間衝突
・本田翼
・西島秀俊
・考えさせる系


おふざけほぼナシの社会派サスペンス?映画でした。娯楽映画では全くなく、メッセージ性90%です。
現代にもし武力衝突(国家間)が起きたら…というか、起きそうになったら、どうするべきか?どうなるのか?というのをひたすら真面目にリアル路線で描いた作品です。
フィクションですがリアル路線なので、トンデモ兵器とか、トンデモ作戦の戦略バトルとか、そういうのは出てこずに、[起こり得る]、[有りうる]、そういう温度感で全てが描かれています。
そういうのが好きな人には面白いのかもしれませんが、そういう真面目な作品は苦手なので内容に関してはほぼ楽しめませんでした。真面目系は苦手です、、、。

原作漫画は知りませんが、漫画原作とは思えないほどキャラ感が弱く(小説原作かも?)、キャラクタはほぼ全員中途半端にしか印象づけされません。
上記でも言及した通りリアル路線なので、登場人物みんな生々しいというか、リアルに寄せてった結果こうなったのかなと思います。

私は現実ではなかなかいないようなぶっ飛んだ思想のキャラクタとか、天才キャラとか、癖のあるキャラが好きで、キャラクター性が結構メディアを楽しむ上での重要性の高い要素になっているので、、、その点は残念でした。
芸能人に明るくない私でもわかるくらいにキャストはテラ豪華で、主演の西島秀俊、佐々木蔵之介、佐藤浩一はもちろん、斉藤由貴と片桐仁、中井貴一、本田翼、市原隼人なんかも出ていて、おわー!となりました。
しかし、それぞれの登場シーンも少なく、掘り下げがされないので、このキャラ、嫌いじゃないけど、なんか、、、いる意味あった?必要だった?映画をうまく盛り上げるピースとして動いてた?なんだったんだ?というキャラが大多数。
動いてはいるけど、中途半端すぎて、モヤモヤする演出が多かったです。だったら半分くらいにキャラクタを絞って、もっとじっくり描けなかったものか。
結局一番深掘りされていた西島秀俊に関しても、あーーーなんとなく、わかったかな…という感じで、あんまり好きになれなかったですし。顔がいいなってずっと思いながら見てました。
私と同じくキャラを楽しみたい系の人は、役者が特別好きではない限り楽しめないかなぁと思います。

中井貴一のキャラとかも好きですけど、なんだったの??という感じ。役割はまあわかるんだけど、、、コンビニのシークエンス自体、ちょっと物語に組み込むにしては弱すぎない?もっと組み込み方とか別の形でできなかったの??という感じ、、、
フィクションで戦場ばかり見せられてもリアルさに欠けるから、身近な世界を描きたかったんだろうけど、コンビニバイトとかコンビニ店長って、そもそもそんなに身近でしょうか。。。


お話に関しては、戦争系とか政治軍事系に全く1ミリも興味がなくて、うーんと思いながらぼーっと見てても流れはわかるくらい丁寧でした。
細かいところはなにがどうなってるのかよくわかりませんが、ディテールをこだわるそういうの好きな人が見ても納得できるレベルなのでしょうか?その点は全く評価できません。未知数です。

衝突が起きて、総理が決断迫られて、攻撃するだのしないだの悶々としている様は、フィクションならではの爽快感はなく、こちらまで悶々とします。
私は特に映画にはそういったリアルさは求めていないので、正直見ていて辛いものがありました。映画くらいわかりやすくスカッとしたくて🙄💦
戦闘シーンも迫力はなく地味。そこが見どころではなくて、リアルな応酬を描いているので、ここで変に爆発させまくったり、ド派手にどんぱちしたりするのはそもそも悪手なのはわかるのですが、それにしても地味。
再三言いますがリアルさを求めない人には辛いと思います。
逆にリアルさに震えたり興奮する人は空母伊吹を見て手に汗握ったり、やりおる!!って思ったり、興奮したりするのでしょうか!

あー、なるほど、と思ったのは、リアルさを追求しているからこそ、人の命がとても重く描かれていたことですね。
攻撃されていて、自分たちも危ない状況に置かれている中でも、敵ではあれ、人が一人でも、見えないところであっても、もしかしたら死ぬかもしれない、となっただけで、空気が重くなって、判断が膠着します。戦闘をテーマにした映画ではありますが、先の戦争を受けて、平和教育を受けてきた戦後の現代をテーマにした作品における戦闘の描き方として、かなり生々しく感じました。

とにかく登場人物や追っているストーリーが多いのに、実際サイドストーリー?他視点はそんなに深掘りされないので消化不良。キャラクタも深掘りされないせいで感情移入しにくく、没入感は少ないです。映画見てるなって感じ…

それなのに、時間はやたらと長い!まさかの2時間越え
このテーマ、この温度感で2時間越えは正直キツかったです。

方々で様々言われているEDですが、本当にあっさりしてるといいますか、なんだそれ、、、笑って感じです。
今までの流れなんだったん?って感じです。ある意味リアルなのかもしれませんが。

それで呆気らかんとしてるだけならまだしも、なんというか、それぞれのストーリーの締めが突然漫画的といいますか、クサイのでびっくりします。
翼ちゃんサイドのストーリーの切り込み、個人的には好きなのですが、なんというかアニメとか漫画によくあるやつなんです。「えーー!ここまで散々リアル路線でやってきて、最後だけそんなんでいいの??こんなんじゃ心動かされんやろ」って感じてしまいました。
総理サイドも、なんか大団円!みたいな感じでなんか突然漫画的なセリフの応酬がはじまって、なんやなんや!と思いましたし、なんなら西島秀俊のラストの感じが一番なんや、クッサ!やめてくれこういうノリ!!と思ってしまいました、、、笑

いや、本来はすごく好きな演出なのですが、途中までの展開とラストに温度差がありすぎて、かなり浮いてしまった印象です。
ここまで真面目にやってきたので、最後後味悪かったら救えないし、その対比で最後はこんなにあっけらかんとしてるのかなぁとは思います。
全体を通してみるとなんだったんだ?といいたくなるラストですが、ラストだけ見れば、結構明るいというか、希望が持てる感じなので。

ともあれ、映画を見ていたとき実際に考えていたのは、西島秀俊イケメンだなぁ、と、本田翼かわあいなぁ、、、のこの二つが7割くらいです。

好きな人は好きだと思います!真面目に考えたい人は是非!

ハァー!よかったね!メリクリスマス🎅🎄✨
かつきよ

かつきよ