サラリーマン岡崎

未来を乗り換えた男のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)
3.7
現代が舞台だけど、設定は一昔前のナチス占領下のような話で、
とてつもなくいろんな意味でファンタジーな作品。

迫害下の設定だが、
マルセイユの光景がとてつもなく綺麗。
混沌とはしていなく、光り輝いている。
ただあまり人気はない。

時代・舞台設定以外も、
主人公のふらふら具合、
そして、恋に落ちる女性の尻軽感、
その設定もなんだかファンタジー。

そして、劇中では台詞がないバーの店員が
ナレーションをすることで、
より現実なのかわからないファンタジー感が漂う不思議な世界。

でもたしかにある虚無感と孤独感。
迫害される時代の中で必死に生きながら、
人の温もりを求めている事は伝わる。
でも、いつかは離れ離れにならなければ生きてはいけない運命がそれらを邪魔する。
だからこそ、人はフラフラせざるおえないのか。

その迫害下での孤独については現実感があり、理解できたが、
それをファンタジーな時代設定で語られたので、
「あの頃の時代は大変だったんだ」とか「あの国は大変だな」という
現実世界への問題意識は持ちにくい。
監督は何を伝えたかったのか。
抽象的にすることにより、
いつでも起こりうることである
普遍性を表したかったのかな。

ただただ、不思議なあまり体験したことのない映画だった。
新しいファンタジー。