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未来を乗り換えた男のBeBeのレビュー・感想・評価

未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)
4.0
アンナ・ゼーガースが1942年に亡命先のマルセイユで執筆した小説『トランジット』の舞台を現代に移して映画化、ユダヤ人が迫害を受けた戦時下の状況と、難民問題が深刻化している現在のフランスの状況を重ね合わせて描いている。重ね合わせ、のトリックがポイント。そこから考えると巧妙だし、時空の繋ぎの按配も良い。
最愛の人の死の報せを、主人公の口から出たタイミングでなく、すぐあとに息子が手話で伝える、そのタイミングで衝撃を受けモノを落とす、こういう“ほんの一歩のズレ”のシーンが随所にあって、これが“Transit”というタイトルの意味合いを少しずつ紐解いていく。
パウラ・ベーアがいつ何時でも街角にあらわれ、ヒールを響かせていそうな気配があって、もうしっかりファム・ファタール。ズレと残像・残響の映画。Talking Headsの“ROAD TO NOWHERE”も◎