バランシーン

ウトヤ島、7月22日のバランシーンのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.3
実際、観ている僕らは何が起きているかを分かっていて、画面内では何が起きているのか分からない。この視座の差をどのように埋めて、緊迫感を作るのかが、この手の作品のポイントになるのだろうが、本作は良くその緊迫感を作れていたと思う。
主人公の行動は不可解だが(なぜそんなに妹に執着するのか?とか)、極限状態ではああした行動もあり得るのだろう。
ただ、いわゆる戦争のようなシチュエーションではなく、日常の中でこのようなショックシチュエーションが起こると、生き残った人間にとっても深いトラウマ(PTSD)を刻むだろう。心が痛む。
ラストはリアルと取るのか?あざといととるのか?この表現方法でこの事件を描くとすれば、これがひとつの到達点かもしれない。
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