みほみほ

ウトヤ島、7月22日のみほみほのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.4
🏝2021年99本目🏝(字幕)

いい意味でも悪い意味でもリアル。ありふれたサマーキャンプの一幕が、一気に地獄絵図と化した悲劇。72分間鳴り止まない銃声に、もうやめて…と懇願したくなる思いで、自分がここに居たら…と考えると恐ろし過ぎたし、思わず身構えた。

最初の20分を見る限りでも、ちょっとイライラする登場人物が多いなと感じた。実話ベースでありながら登場人物に明確なモデルではなく、あくまでフィクションとして作られているようなのだが…こんな時に何故?!という行動を取る物が多かった。
あんな時に歌を唄うか?と思ったし、死角から動かなければ良いのに走り出すし…パニックは分かるけど、思いっきり叫ぼうとする友達とか…パニックに陥った人間の緊迫感が限界を超えた時に取る行動は、案外こういう事もありそうで怖いなと思った。


映画としては 事件後までを描き、生き残った者の苦しみや試練、犯人や裁判の行方をじっくり観れた 「7月22日」の方が見応えがあって好きなのですが、今作はまた違ったシンプルな恐ろしさがあり、いかにあの72分間が恐ろしいものであったかを知らしめる効果的な作品に感じた。

あえて犯人の事を描かずに、犯行のおぞましさを伝えるという事。ちゃっかり美談にする事もなく、あぁ現実にはこんな事もありそうだなと思わせてくれる登場人物の雰囲気作りも、見終わった今は納得いったなぁ。

いやしかし、銃撃72分間は長くとてつもなく恐ろしい体験でした。国の中枢にいる者の子達が多く集まったサマーキャンプで起きた悲劇…こんな悪夢をもたらした犯人が許せません。詳しく知りたい方は、是非とも「7月22日」を観てください。
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