ダビンチ

ウトヤ島、7月22日のダビンチのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
4.0
72分間ワンカット、常に緊迫感に包まれた衝撃作でした。
正直、ワンカットものでいうと「ヴィクトリア」という144分ワンカットの作品があるけどあれはワンカットをするために途中、カメラがブレブレすぎて見づらかったり、そもそも脚本があまり面白くないのでハマらなかったのですがこの「ウトヤ島、7月22日」は凄いと思いました。
72分間のワンカット、常に主人公をカメラが追うのだけれど犯人の姿はほとんど見えなくて銃声が鳴り響いている音だけが聞こえる。
なので見えない恐怖が常に画面の中に存在するのでその点は何が起こっているか分かっていない主人公と重なる部分だったので物語に入りやすかったです。
あとはカメラワークが銃声が聞こえると少しびくついたり、たまに辺りを見渡したり、カメラも主人公と同じく隠れたりするので、まるで観ているこちらもそこに存在するかのような感覚になりました。
あと音響に関しても、銃声だけで犯人がどれくらいの距離にいて主人公が今、どれくらい危険なのかが身近に感じれたし、BGMも使わず、現場の雰囲気の音だけにしたのも素晴らしく、この作品に入り込める1つのきっかけになったと思います。
ワンカットものはカメラに目がいきがちだけれど個人的には音の方がどう録音しているのか気になります。
その辺、聞いてみたいです。
少し残念な点があるとすれば、時たま、主人公の行動が理解できなかったことです。
それでも72分間、常に緊張感が支配する素晴らしい作品だと思います。
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