けまろう

ウトヤ島、7月22日のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ウトヤ島、7月22日』鑑賞。とにかく銃撃の音が心臓に悪い映画であった。
容赦ない銃声で高まる緊張と擬似体感。緊張は『ダンケルク』のそれであるし、擬似体感は『ヴィクトリア』に通じるものがあった。「この出来事を忘れない…」的なコンセプトであれば、「コロンバイン高校銃乱射事件」を扱ったガス・ヴァン・サントの『エレファント』の方が余程出来が良い。
「身を隠す」ことが登場人物の主な行動であり、ワンカットの割に全体的に退屈。それは登場人物たちも同様なのか、ユーモアを交えて会話をしたり、主人公のカヤは平和に歌いだす始末。実際、同じような体験をしたら、過度のストレスで平常心では居られないのであろう。
良かったのは、主人公のカヤとエミリアの関係性だ。お節介焼きのカヤと反抗期のエミリア。事件が勃発してから、カヤは道中出会う人々を命を顧みず甲斐甲斐しく世話をしながらも、エミリアを探し続ける。そして、カメラもその姿を延々と追う。
カヤが銃殺されるクライマックスシーン。それまでカヤを追っていたカメラがカヤから離れていき、非難する救助船へ。その上では友人の救命活動をする妹のエミリアの姿が。世話焼きな姉の血が妹にも流れていることを示すシーンだ。
けまろう

けまろう