民間人すぱすぱ

ウトヤ島、7月22日の民間人すぱすぱのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
4.0
今年劇場鑑賞35作目「ウトヤ島、7月22日」鑑賞。

ノルウェーにて本当に起こった無差別銃撃テロ事件を72分間ワンカット長回しで再現する。予告を観ただけで地獄のような時間になると予想がつく。

いきなり遠くでパンパンと破裂音が聞こえてくると音がした方から大勢の人が逃げてくる。「やべえやべえ逃げろ!隠れろ!」と目の前を猛ダッシュで逃げていく。

実際に起こった事件である事で、我々はこの事件が移民問題に反対する極右の32歳が起こした単独犯のテロである事を知っているが、この場に居合わせた若者達は
「一体何が起こっているのか?」
「一体何者が何のために?」
「一体何人で?」
という状況が全く分からず、パニック状態のまま逃げ惑う。警官が撃っている。複数人の犯人が撃っている。とパニック状態であるが故にデマが飛び交う。
いったい何が起きているのかサッパリ理解できぬまま、ただただ迫り来る銃声に怯える。これほどの恐怖があるだろうか。。。

ブレブレカメラに酔う。
緊迫感で心拍数が上がる。
メンタル削られお腹が痛くなる。
これを72分もやられると、正直死ぬかと思った。

そこまでショッキングな映像は少ないものの心理的に追い詰められていく様が、観てるだけの筈の観客をも精神的に追い詰める。

銃声の大きさにより、犯人との距離を表し、銃声が鳴るタイミングや間隔で恐怖感を助長させる演出は劇場での鑑賞でないと体感できなかったのではないだろうか?
家庭での視聴になるとヘッドホンは必須かと。

長回しの臨場感。パニック状態の疑似体験。恐怖心の増幅演出。吐きそうでした。
観る前にトンカツ食って観にくるじゃなかった。。。と激しく後悔。
昨年の「デトロイト」ばりに、観直したく無い映画の1つです。

最後に登場人物であるナンパ君に一言。
あの状況で「猫の動画見る?」は絶対笑えねぇ!!