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バーニングのHIのレビュー・感想・評価

バーニング(1981年製作の映画)
2.6
粗暴で嫌われ者のキャンプ場の管理人が、子供のイタズラで全身大火傷。数年後、退院した彼は枝切りバサミを手に戻ってきた…

『13日の金曜日』に影響を受けてか、80年代以降に湖畔や山中で若者が殺されるホラーが作られまくった。その流れに乗ったであろう本作は、サマーキャンプで浮かれる若者が殺される、13金まんまのプロット。二番煎じ感は拭えず、ストーリーは荒くないが、テンポは良くない。
しかしトム・サヴィーニの特殊メイクが光っている。ハサミを振りかざし喉にグサッ、指をスパン、額をザクッと痛々しい。30秒で明確に5人という早業を持つ殺人鬼は、焼けただれた顔がインパクト大。あれで一命をとりとめたのはジェイソン並みの生命力。
日本で上映時、「27州で上映禁止」だの悲鳴で鼓膜や声帯が傷ついた時の「絶叫保険」だの、殺人鬼を勝手に"バンボロ"と名付けたり(劇中での名前はクロプシー)とふざけたコピーや宣伝のせいで、カルト的ホラーになったと思う。

もう少し殺人鬼について掘り下げて欲しかった。彼が乱暴者というのは子供たちの台詞でしか語られないし、彼の声は焼ける時の悲鳴しかない。本当にアル中の暴君だったのか。焼かれたといえども関係ない人を切り刻む時点で同情のしようがないが。

製作は昨年映画界を騒がせたハーヴェイ・ワインスタイン。音楽はリック・ウェイクマンで、美しくも耳障りなBGMが印象に残る。そして無名時代のホリー・ハンターが目立たないが出演している
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