Wakana

華氏911のWakanaのレビュー・感想・評価

華氏911(2004年製作の映画)
3.5
今朝起きてニュースをつけたら、「パリでテロ、現時点で死者40人だがさらに多い見通し」というニュースがちょろっと流れていた。はあなんだこりゃ、と気になってCNNを見てみたら(BBCは環境的に見れなかった)、ブレイキング・ニュースとして予定してた番組を変更してずっとパリの同時多発テロについて報道している。パリの中継地に繋ぐ度に、キャスターが「アメリカ人はこのテロを聞いて9.11を彷彿として思い出す。胸が痛い。」と何度も何度も繰り返していた。
なるほど。そこで下書き状態で止まっていたこの映画を思い出して、いまに至る。
日本でこのニュースがまだあまり大々的に報道されていないのは、やはり「欧州遠いところだし」という感覚からなのか。それかそもそも事件そのものの情報があまり入ってこないのか。そういえばシャルリ・エブドの事件の時も、すごく遅れていたような。

※以下ようやく映画のレビュー。

この映画をプロパガンダと見るか、事実を記録しようとしたドキュメンタリーと見るかはその人次第という感じ。

自由と平等ってベクトルが違う概念なのに、機会均等という媒体で無理やり繋げようとしてるアメリカの理想のちぐはぐさ。<丘の上の神の国>を作ろうとして未だに完成できないのを見ていると、アメリカが理想を掲げてはこれもダメだあれもダメだと行ったり来たりしている様子が目に浮かぶよう。
アメリカ独特のマッチョな雰囲気って、どうも好きになれない。共通の敵を作ることで仲間意識を高めようと、メルティ・ポットなアメリカを一致団結させるための装置のひとつというような印象なんだよなあ。正義云々よりも。
そういえば卒論指導教授に、アメリカでは「まあまあちょっと落ち着いて」みたいなストッパーがあまりいないことを教わったのを思い出す。
ムーア氏の発言は本当にブラックで面白いんだけど、<完璧な正しさ>を追い求めすぎて、それちょっとあなたの首を絞めることになっちゃうんじゃないの、と言いたくなる。でもこの考えが浮かぶのは、すごく日本人的ってことなのね。