TS

映画 刀剣乱舞-継承-のTSのレビュー・感想・評価

映画 刀剣乱舞-継承-(2019年製作の映画)
1.6
【織田信長が気の毒でしかない】32点
ーーーーーーーーーー
監督:耶雲哉治
製作国:日本
ジャンル:時代劇・SF
収録時間:102分
ーーーーーーーーーー
2019年劇場鑑賞3本目。
何これわろた。元ネタは知りません。いやはや、ファン層の支持率が高すぎるのか、かなり高いスコアに騙されてしまいました。アイデアは面白そうなのに全く活かせていないし、アクションシーンも微妙。見てるこちらが恥ずかしくなるような決め台詞的なものが連発し、時代劇に全く合っていないコスプレ軍団が暴れ倒すというもの。そして何よりも、歴史を改変してはいけないという究極のテーゼに関してその理由をしっかりと言及出来ていないのが駄目。歴史にifなんてつければキリがないですし、ある意味歴史学界ではそんな仮定をすることすらタブー。時代遡行軍って何だよそれ。彼らの目的を作中ではっきりと明かしてください。

最早死ぬほど題材にされている織田信長ですが、彼が自害したとされる本能寺の変は謎だらけ。彼の遺体はどこにも残ってないですし、その後も生き続けたという説もあるほど。豊臣秀吉が黒幕という説もあるくらいですから、日本史においてもたくさんの人に魅力を与えている部分でもあります。そのあたりが娯楽化され、歴史嫌いの人にも興味を抱かせるという傾向は大いに結構ですし、個人的にも嬉しいところ。だからといって、今作が「傑作」であるという理由にはなりません。鑑賞者になるほどと思わせる説得力のある描写がないのです。三日月が織田と話をしてる時も非常に中途半端。織田も一人の人間なのですから、歴史通りに死ねよと言われたらそりゃあ抵抗しますよ。そこに我々も納得できる、なぜ歴史通りにしなければならないのか?という解答が欲しかった。解答がでなくとも考えさせられる文言が欲しかった。ところがどうだ。歴史は改変したらダメなんよ。ということに何の疑いも持たないのです。織田信長が気の毒すぎる。これに尽きます。

最早これではSF時代劇を通り越して、戦国時代末期という舞台を借用した朝の戦隊モノであり、よっぽどのファン層でない限り今作を映画館で見るのは控えた方がよろしいかと。CGが微妙なのは今作に限らず邦画全体に言えることなので仕方ないと思えますが、ストーリーの展開が陳腐すぎますし、演技も今ひとつ。ゲームとしては立派なのかもしれませんが、映画としては大したことないと個人的には思いました。はやくも今年ワーストクラスの映画降臨です。
TS

TS