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映画 刀剣乱舞-継承-の接続設定のレビュー・感想・評価

映画 刀剣乱舞-継承-(2019年製作の映画)
4.0

刀剣乱舞は名前だけ知ってる程度の前段階で視聴。

マンガ、アニメ、ゲームの実写化作品は、一時期ヒドイ時代があり、それでも最近は、クオリティも上がって来たなあ…、刀剣乱舞はどうかなあ… という塩梅で望んだ本作ですが、美術やアクション、CGエフェクトや画作りなど、基本的なクオリティの水準が、とても高く仕上げられていて、実に力が入っているのがヒシヒシと伝わる…!

特に目を惹くのが、敵である時間遡行軍のSF伝奇的な美術と、その敵と刀剣男子の殺陣。

暗い場面や、多くの人物が入り乱れる場面でも、それぞれの武器やキャラクターの性質を活かした“魅せる”アクションが展開され、中でも敵の一人である無銘戦は、小回りの効いて、ストイックな立ち振る舞いがとても格好良い。

闇夜に赤い目で潜む、時間遡行軍のダークのビジュアルな格好良さは鉄板の様式美として活かしつつ、それと対比するように、鮮やかさとリアリティのバランス感が良い刀剣男子の華やかさが、また格好良い。

お話の構成も、刀剣乱舞の設定自体ほとんど知らなかったので、専門用語やバックストーリーに分からない点もあったけど、それも物語が展開していく中で、ひとつひとつ余すことなく、わかりやすくサラッとした物語上不自然ではない説明で、入れ込んでくれるのがありがたい。

また、本作は織田信長の本能寺の変が取り扱われているけれども、何故そこに物語の時間軸を置いたのか、なぜ本作に登場している刀剣男子はその刀なのかといった点も掘り下げられ、刀剣乱舞を知らない人が見ても、その謎を紐解くこと自体が、物語の軸になっているため、刀剣乱舞を理解しながら、お話の謎や流れや世界観を理解していくことが紐づいているという、絡み合った構成が実によくまとまっているのも、とても素晴らしい。

それぞれの登場人物も魅力的であり、刀剣男子の中では、メインキャラクターと据えられている三日月宗近の良き枯れ具合や達観めいた穏やかさの演技だとか、史実の人物では、秀吉のわかりやすいキャラクター性と腹黒さ、それと儚さの奥深さの演技など、一人一人に愛着が湧いてしまうほど、とても良い登場人物の魅せ方をしてくれる。

映画だけで実写のお話が完結するのはもったいないので、ドラマシリーズや続編などで、是非彼らの続きのお話が見たいなあと思わせる仕上がりでした。

戦いだけでなく、日常シーンが描かれるのも、また良いですねえ・・・
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