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春待つ僕らのKUBOのレビュー・感想・評価

春待つ僕ら(2018年製作の映画)
3.8
11月3本目の試写会は「春待つ僕ら」。

「また少女マンガの映画化か〜」なんてナメて見に行ったけど、かなりおもしろかった。

というのも監督が「ROOKIESー卒業ー」「僕だけがいない街」などの平川雄一朗。元からキラキラ映画を撮るつもりではなく、バスケを中心にしたとても爽やかな青春映画になっている。

「土屋太鳳」の映画なんだろうけど、「累」の土屋太鳳は良かったけど、こういう青春映画の土屋太鳳は嫌いなんだ。笑顔も台詞も嘘くさく思える時がある。まあ、見ているうちに気にならなくなる演技力(?)はあるんだけど。

だいたい「ぼっち」とか言って、モテモテじゃん! これはぼっち女子が夢見る「ハリーポッター」的ファンタジーなんだろうな。

それより、私が注目したのは「北村匠海」の「目」。言外の微妙な感情を繊細に表現するそれは、褒めすぎかもしれないが「ジェームズ・ディーン」のような雰囲気がある。今は青春映画専門だけど、近い将来深みのある役が回ってくるに違いない。彼の演技で本作は締まったと言っても過言ではないだろう。

小関裕太、金髪ロン毛の王子さま。よくここまで少女マンガから抜け出してきたようなルックスの俳優がいたな。彼の超越した存在感も本作では必須だったろうな。

で、この2人だけでなく、一見チャラそうなバスケ部男子たちの友情が熱いし、プラス1となってこの仲良しメンバーの中に入って、強く明るくなっていく美月(土屋太鳳)の姿も成長物語として見ていて楽しい。

やっぱ、あっという間にモテモテじゃん! イケメン2人が彼女を賭けてバスケ対決とか、どーなのよ!

全員代役なしで行われたバスケシーンも熱い! この辺はさすが平川監督「ROOKIES」的なスポーツものと恋愛もののバランスを上手く取って、ファンの女子だけでなく、年齢を問わず見れる青春映画になっている。

以前、他の映画のレヴューで、最近の邦画には「普通のエンタメ映画」と「少女マンガ原作の実写化」との間に、要求される演出にも完成度にもダブルスタンダードがあるんじゃないか?というようなことを書いたが、そういう意味では本作は少女マンガをしっかりした映画作りの基準で作った作品ということになるのかな?

うん、おもしろかった!
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