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春待つ僕らのOmmyEatWorldのネタバレレビュー・内容・結末

春待つ僕ら(2018年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後までなんだか全身がくすぐったいのが続いた不思議な作品でした。試写会じゃなかったら間違いなく全編を見ないで帰ってました。こんな幼稚な恋愛話をわざわざ映画化した理由がよく理解できないというのが正直なところです。ただの駄作です。

とにかく原作者の妄想具合がひどい。「こんな高校生活が送りたかった…」なのか、「こんな高校生活みんな送りたいよね?」「こんな恋愛最高でしょ?みんな憧れるよね?」というのを描いたつもりなんですかね。深みというものが全くない浅くて薄っぺらいお話でした。全然若者を理解していない大人が若者を描いているのがよくわかります。あんなセリフみたいな喋り方する男子高校生なんて過去から未来永劫一切いないから。

高校生同士の人間関係ってあんなに単純明快じゃないですよ。もう子供じゃないんです。中学生だったらまだしも、高校生であればもう限りなく大人に近いんです。クラスで完全に浮いてて友達の全くいない主人公が友達を作っていくプロセスが簡潔に描かれ過ぎていて違和感しかなかったです。主人公が勇気を出して声をかけさえすればすぐに解決していましたが、そんなに簡単に行くんなら初めから浮いてなかったはずなんですけどね…。

学年も異なる4人の年頃の男子高校生に対して、女の子が1人だけの5人組でLINEグループ作って仲良くつるんでるのとかおかしいって。そこに女の子が増えて行くのならともかく、こんなバランスが悪い5人のまま仲の良い友達でいるとかないって。先輩の男の子3人のうち、1人は鈍感すぎて後輩の恋愛感情に全く気がついていないというのはまだ置いておいて、残り2人は全力で応援とかマジでありえないから。学校内の四天王とか言われるくらいモテるんだったら、まず自分が誰かと恋愛するのが最優先だと思うけど。

男子4人がバスケに打ち込んでいるのを側で見ている主人公の女の子が、自分も打ち込みたいものを見つけたいと苦闘するんですが、それが「作文」て……。しかも、先生にテキトーに選ばれたのがキッカケでコンクールに向けて一回書くだけ。男の子達が3年間頑張るであろうバスケに対比させるものがそんな瞬間的なもので良いの?????
そして、その作文の題名が作品のタイトルである『春待つ僕ら』でした。題名には「僕ら」とありますが、内容的には全然「僕ら」ではなく、あくまで一人称の「私」の視点で書かれたものでしたね。

最後に一点だけフォローしておくと、あれだけ寒くて違和感満載の脚本を一生懸命演じていた役者さん達には心から敬意を表します。大変素晴らしい演技で上手に演じられていました。

好きなキャストが出演していて、出てくるだけで『キャー!😍』って喜べるような熱狂的なファンの人たちだけは楽しめる作品だと思います。実際隣りに座っていた女の子のグループがそうだったみたいで、北村匠海さんが出てきて何かする度にキャーキャー騒いだり、恥ずかしがって顔を伏せたりしてました。暫くの間理解に苦しみましたが、彼女達からすれば最高の作品なのでしょう。

少女マンガって未だにこんな有りもしない理想論が描かれ、今も尚、賞賛され続けているんだなと驚愕しました。少女マンガ原作の作品はもう二度と見ないことにします。今回安易な気持ちで試写会に応募したこちらも悪かったと反省しています。
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