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コーヒーが冷めないうちにのTSのレビュー・感想・評価

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)
2.3
【泣かそうとするあざとさが目立つ】53点
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監督:塚原あゆ子
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:116分
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2018年劇場鑑賞78本目。
今年最大級の期待ハズレ映画。くどいしどこを一番強調したいのかよくわからない。「4回泣けます」という失笑のキャッチフレーズ。これは人によるでしょうが、僕は少なくとも1回しかウルっとこなかったです。かなり期待していた分残念でならないです。

フニクリフニクラという喫茶店のとある席に座ると過去に戻ることができるという都市伝説が広がっている。ただし、過去に戻るにはきめ細かなルールがあるのだが。。

過去に戻って何かをしたら未来が変わるなんて発想はドラえもんやBTFで実証済みなので、その二番煎じにならなかったこのアイデアはまだ良かったと思います。わざとややこしいルールを設定することにより何でもありという風潮を醸し出さないようにしてます。今作の設定の最も良い点は、「過去で何をしても現実は変わらない」という点でしょう。これが妙に現実の厳しさを物語っており、長い目で見ればこれが泣ける要因であるのだなと思ってしまいます。

しかし、個人的にはせいぜい泣けても松重豊と薬師丸ひろ子のエピソードのみ。逆にいうとこの二人のエピソードはとても良く、もうこのエピソードだけで1本分の上映をしてほしかったところです。やはり松重豊の演技は巧い。あの笑顔で涙を流すシーンは今作のハイライトでしょう。しかし、その他のエピソードはイマイチであり、客を泣かしにこようとするあざとさが際立っており、くどすぎて興ざめ。苛立ちさえ募ってしまいます。特に最後のエピソードは、最初から設定していたルールをやや崩してきている感じがあり感動は皆無でありました。

コーヒーを入れるシーンなんてイチイチ毎回映さなくても良いし、最後のメタフィクション的なシーンとか見てるこっちが恥ずかしくなってきます。なんとなく泣けそうな話を4本持ってきたという、良くいうとオムニバス形式、悪くいうと羅列的で一貫性がない映画と言えそうです。ただ、駄作と断言するまではいかない。古風な喫茶店での会話シーンは何となく良いですし、やはり松重豊と薬師丸ひろ子のエピソードが今作を支えてくれてます。しかし、この設定ならばもっと感動できる展開にできたはず。残念でならないです。
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