話として全く好きになれないけど、福田麻由子の演技がすごかったり、冒頭に繰り返されるダサいバンドのMVみたいなノリと現実が重なる演出が、夢の軽さと現実の重さが乖離しているのを表していて、クソなバンドマンの脳内の陳腐さを表していて、ウザくて不快だけど面白かった(その演出が)。あとクロやんの嘘くさい引き笑いが長めなのもよかった。
本当に主人公の男がクソで、人に対して何か優しさを与えるような素振りもなく全く好きになれない。多分そういう話。なんでそんな人を優しさで、母性と言われているであろう寛大な優しさで包み込まねばならんのだろうかと最後まで腑に落ちないけど、ゆかりはそうしたいんだろう。
私も別に普通じゃなくても愛情の対象になると思うけど、一瞬でも良心を利用し騙されたら許せない。私は腑に落ちないから、最後までこの物語をどう受け止めたらいいのか分からないまま終わる。
ダンカンが出てくるけど、私がダンカンなら釈然としないまま病院を出るかもしれない。
多分最初のバンドの場面で恋に落ちる事が出来なかったので、ゆかりの気持ちに寄り添う事が出来なかったのかもしれない。
福田麻由子の出産場面は、今まで生きてきた中で初めて「出産ってこんな感じの辛さなんだろうな」とリアルに想像できるもので、福田麻由子すげーとなった。
あと、お金を舐めるなと腹が立つ。母親一人の遺産なんて、あんな生活してたらすぐに無くなってしまうと思う。
思い出したらムカついてきた、ムキーーー!