ヴレア

ラのヴレアのネタバレレビュー・内容・結末

(2018年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

青春×バンドものにハズレ無しと思いきや、久々に酷い映画に出会った。

「あのね、赤ちゃんが産まれる時の産声ってね、み~んな“ラ“の音なんだって。凄くない?」

タイトルの所以にもなっているであろうこの重要な台詞が登場した直後の展開から私の評価は急降下し続ける事になる。

この台詞を言った後にヒロインは主人公に結婚を迫るのだが、主人公は「お前おかしいだろ!」と一蹴して逃げるんですね。散々金借りた挙げ句、ヒロインを孕ませておいて。
この事からもわかるように主人公があまりにクズ過ぎて全く魅力を感じないし、ストーリーも酷いものだった。

ヒロインを捨て、その後バンドを頑張って成功するというのならまだしも、全然バンドやらないし、友人の詐欺やらトラブルやらに巻き込まれてただグダグダやってるだけというね。
挙げ句、一緒にバンドやりたくてつるんでた相手に騙されて喧嘩するシーンが酷い。土砂降りの中、泥んこになって格闘させればそれっぽくは見えるが、全然本気で喧嘩してるように見えないし、似たようなシーンが最初の方にもあったのでワンパターンに感じられる。
自分もヒロインを騙していた訳だから因果応報。全然可哀想に思えない。なのにピンチになるとヒロインの家に直ぐ戻る。啖呵を切って出ていったクセに!せめてゴメンの一言くらい言えよ!何当然のように戻ってきてんねーん!(←この時点で私の怒りは頂点に達した。以下惰性で観ている)

とにかくこの主人公、半端者なんすよ。何もかも行き当たりばったり。逃げてばかりで全然成長しない。本当にバンドやりたかったら1人からでも練習をすると思うんだけど、そんな描写もないもんだから本当にバンドやりたいの?と疑ってしまう。情熱を全く感じられない。
おまけに、いくら詐欺に加担したからって何ヵ月もヒロインの家に隠れているとか。それでいいのか?知らなかった訳だから普通なら金返して警察に通報するよね。
さらに、ヒロインが身重で病院行くってのにあんた家に居るんですかい!そうですか。せめて何か声かけてあげようよ。顔に小麦粉塗ってる場合じゃねぇだろ!何これギャグなの?笑笑

で、さすがにまずいと思ったのか、主人公は顔を洗い、スーツに着替えていたから、てっきりヒロインの元に駆け付けるのかと思いきや、行かないんかーい!

ヒロインが出産するシーンと主人公が祈っている(笑)シーンを交互に見せて感動させようという演出も酷いし、もはやどうでも良くなったわ。
最後は散々父親になんかなりたくないとのたまっていた主人公がただ子供に会いに行くというどうでもいいオチ。涙がウソくさいわ~。何感動風に終わらせようとしてるん?現実的な問題何も解決してないでしょ。

結論、タクシーの運転手さんがこの映画の中で一番まともな人だった!
ヴレア

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