ジニョク

母さんがどんなに僕を嫌いでものジニョクのレビュー・感想・評価

5.0
今年もあと1ヶ月半をきりつつあるのに!
ここへ来てこんな映画に出会うとは!
2018年ベスト級に入る作品でした☆

母に愛されずに育った少年が大人になり、母と向き合い、愛を取り戻そうと奮闘するお話。

これは決して暗い虐待映画ではありません。
むしろポジティブな空気と愛に溢れたあったかい作品。

母親は母親である前に1人の女で、そして1人の人間よね。
吉田羊が演じた母親光子は更に”大人になり切れていない大人”だった。
吉田羊は結構好きなんですけど、思わず嫌悪してしまいそうな程の見事な演技。
素晴らしかった!

叩く蹴るの暴力よりも深く深く傷を残すのが言葉の暴力。
絶対に言っちゃいけない類の言葉。
それを投げつけるように、泣きながら叫ぶ光子。
それを受けるタイジ(大賀)の笑顔が痛くて痛くて痛くて!
大賀と子役の男の子のあの笑顔、ヤバイよ〜!
歯をぎゅっと食い縛って眉間に皺を寄せて涙をこらえていたんだけど無理でした。
鼻水は出るし、涙は首の方まで流れ落ちてくるしでぐしゃぐしゃです。

泣いて泣いて笑って泣いて笑って!
が連続で続き、こんなに感情を揺さぶられた映画は久しぶり!

さっきも書いたけど、本当に暗い映画じゃないんです!
タイジを支える友達の存在。
母親の大切さを気付かせてくれるみんなの言葉。
頑なに拒絶する母親に食らいついて食らいついて離さないタイジ。
あぁ!それから婆ちゃん役の木野花!

もしかしたら何にも感じない人もいるかもしれない。
曇りひとつない愛を一身に受け、幸せな人生を送ってきたんだなぁと、それはそれで良いと思う。

だけどこれが心にグサグサ刺さり、涙でぐしゃぐしゃになって泣き笑いするのも悪くはない。

是非!



2018年劇場鑑賞85本目
ジニョク

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