saco

アイネクライネナハトムジークのsacoのレビュー・感想・評価

4.0
伊坂幸太郎といえば、殺人鬼や詐欺師、泥棒が出てきて、死体が転がるようなミステリが殆どですが、この原作は、ラブストーリーが苦手な伊坂さんが大好きな歌手斉藤和義さんに歌詞を頼まれた事をきっかけに書き上げた珍しい恋愛モノの群像劇。

とはいえ、そこは伊坂幸太郎そこかしこに伊坂節とストーリー展開の巧みさがてんこ盛り。それを最大限に活かした脚本と演出は上手いなぁと思った。
大きな事件は無いけれど、心に染みるエピソードをサラリと描いて、徐々に観客の胸の中に温かい印象を残していく感じが良い。
三浦春馬、多部未華子、貫地谷しほり、矢本悠馬、皆役者の自然体の演技も心地良いです。
そして、セリフが殆ど原作のままが嬉しかった。
作家独特の軽妙洒脱な会話が役者によって息を吹き込まれ動き出したような錯覚がした。役者って、やっぱり凄いなと思う。

「出会いが大切なんじゃなくて、何年かして出会えたのがこの人で良かったって思えるのが最高なんだよ」コレ、凄く心に刺さった。

ベリーベリーストロングな素敵な素敵な可愛い映画でした。
観て良かった。
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