プライムゼウス

サイドウェイズのプライムゼウスのレビュー・感想・評価

サイドウェイズ(2009年製作の映画)
3.2
アレクサンダー・ペイン監督版を観たうえで、日本人リメイク版を鑑賞。設定をなるべくそのまま、日本へ。ペイン監督の粗だった部分を丁寧に補修してあります。ただ、直しちゃうと、もさっとしません? いや、面白いんですけどね。
知っている話だからかもしれませんが、ワクワクが薄れてしまった気がします。
ペイン監督版では、結婚式を控えていることは秘密にされています。口を滑らせ主人公は知らぬ顔を通します。たしかにスッキリしません。リメイク版ではそこは謝罪してスッキリさせてくれます。ですが、2つ失っている気がします。1つは二人の友情の微妙なバランスから見えるリアルな関係。もう1つは、結婚する前の微妙な空気感(はしゃぎたいが抑えられない)。
これはワインでもそうです。ペイン監督版はどうしてワインなのか、曖昧な理解なんです。が、リメイク版ではワインを「人生」と例えています。何を飲むのかではなく、誰と飲むかなんだ、と。うーん、情緒が薄れちゃいませんか。
あと、文句ばっかりいうようですが、外国人俳優さんとの会話がちぐはぐっす。映画用の演技を全力で披露する舞台俳優の日本人と、エキストラで雇った現地の人? と疑いたくなるほどの温度差。
舞台を日本にして、酒蔵を巡る旅にしたら駄目ですか? いや、面白い映画なんですけど、なんだか勿体ないんですよね。