So

パラレルワールド・ラブストーリーのSoのレビュー・感想・評価

2.8
途中まではとても面白かったです。
パラレルワールドが同時並行で進んでいるような構成や、その二つの世界を行ったり来たりする中で何かの記憶がリンクしていく不思議な感覚表現が、シーンの繋げ方や微妙な質感の使い分けによって見事に表現されていて、その後の展開への期待感がどんどん増していきます。

しかし、それがパラレルワールドではなく、ある実験において行われていたという、謎が明かされていく展開に入ってからはストーリーがお粗末に感じました。
「記憶」を操作するというこの物語の肝となる秘密の実験内容やそれらを肉付ける科学的根拠も浅いため、肝心の謎解きに幼稚な印象が否めず、一気にムードが白けていきます。記憶を改ざんできるとする設定をこちらに納得させるには、いかんせん描写もセットも何もかも雑すぎるので、さすがにこれでは観客をバカにしてないかなぁと。
この作品のタイトルからして「ラブストーリー」と謳っているので本題はそこにないのでしょうが、この雑さのせいで本筋のラブストーリーにリアリティーがなくなってしまっては本末転倒です。

お互いの記憶を消したはずの二人が人混みの中ですれ違い、ふと気づき振り向くという(よくあるタイプの)ラストシーンも、場所も演出もステレオタイプすぎて、カット割りもオシャレじゃないし、これで締めようとしたのかぁと悲しい気持ちになりました。
同じタイプの終わり方でいう「君の名は。」のラストにはどう逆立ちしても勝てない、不細工なラストでした(T_T)

個人的にこのタイプのラストで一番好きなのは、「てんで性悪キューピット」です!あ!漫画ですけど笑。(片方は記憶を持ったままだからそれも違うか、雑談でした!)
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