トレバー

家へ帰ろうのトレバーのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.5
これ、最高なやつ。
ホロコーストが密接に関わっているストーリー
にもかかわらず、最後は悲しみよりも深い感動が
待っている、素晴らしい一本。

偏屈で頑固なじいちゃん仕立屋さんが、足の具合が悪化して切断がまぬがれない状態で、かつ
老人ホームに入所が決まっている。
じいちゃんにはやり残した事がある。
ポーランドにいるずっと会えていない友人に、
自分が仕立てた服を渡したい。

体も弱っている。足も辛い。
でも、じいちゃんは旅に出る。

演出もホンも本当に素晴らしくて。
冒頭の、孫とのやりとりでじいちゃんが
ただ頑固で偏屈なだけでなくウイットと
ユーモアを持った人物である事が分かるし
(そのやりとりで孫の女の子がじいちゃん譲りの性格とわかる巧さ!)
ロードムービーとしての顔を見せ始める時
出会う人々に傍若無人に振る舞っているようで
引きつけてしまう人たらしっぷりに、観ているこちらもじいちゃんの力になりたいかも、と思えてきた頃に差し込まれる、忘れようのない辛過ぎる記憶に涙を禁じ得ませんし、我々も知っていなければいけない歴史の事実に憤ってしまいます。

笑って、泣いて、胸が苦しくなって、
暖かい気持ちになって。
是非ご覧頂きたいです。
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