まりぃくりすてぃ

家へ帰ろうのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
3.8
老いた人々の顔皺やあちらこちらの凹凸、に当てられた照明も効いてて、タヌキ色をはじめダークカラーや陰の交じり方がゴージャスだった。燻(いぶ)しの後のおいしそうな物体の感じ。こういう面構えの人たちを(子役をふくめて)よく選んだなぁ。。。
台本上のコトバ以外に、画は画で(物体としての表情に一つ一つが溢れてるために)多弁に別のことをいろいろ語ってた。協和しながら。こういうのを「対位法」の成功例っていうんだろうか。ヨハン・セバスティアン・バッハのパルティータ1~3番聴いてる時と同印象だったりする。
そういゃ、バッハはドイツ人だったっけ。。
ドイツ人の若い姉ちゃまに主役(ジジイちゃん)がヘンに優しくされる場面からシナリオが幼稚になった。小学6年生ぐらいが考えつくような説教臭い流れと台詞。以降、スムーズすぎたメルヘンチックエンドまで、共感できず観おえた。
勘当した娘に金を借りに行ったくだりのドギツサの方が心に残った。ホロコーストよりもそっちの親子葛藤モチーフこそ、掘り下げ甲斐あると思った。もったいない。でもまあ、回想シーンはどれも応援したくなるエモさだった。
さかのぼれば冒頭の、孫娘とジジイちゃんとの金銭交渉のポップさもキマってた。音楽雑誌の男とホテルのエロい女は、魅力的キャラだったが無造作に並列的に使い捨てられたね。

[銀座シネスイッチ デビュー  道に迷っちゃった]



ところでマリちゃん、ヒットラーは好き?

好きじゃないけど、まあちょっと、、好きかな。あたし本名はマレーネだし。

え、マリリンじゃないの?

本名二つあんの。