ともしびの作品情報・感想・評価(ネタバレなし) - 4ページ目

「ともしび」に投稿された感想・評価

nico

nicoの感想・評価

3.4
記録!
上映後に、トイレで順番を待っていると
50代くらいのご婦人が
「ともしび」観てましたか?
難しくて分かりませんでしたーー。
アレは、どういう事(意味っつたけな?)
だったんですかぁあ??
と、話しかけられました。

う〜ん。
あたしにも、分かりませんよ。
わからなくて良いんじゃないですかねー?
落語のように、落ちが無くても
チャン!チャン!で、終わらなくても。

観た人が、アンナの纏う空気を感じられたら良し!!ですわよ。
とても引き込まれた。始まりは強烈で驚いた。
セリフは極端に少なく、最初から最後まで「アンナとその家族に何が起こったのか」はっきりと示されず、ただただアンナの孤独、絶望、諦念が映される。シャーロット・ランプリングから目が離せなかった。すごいな…。
奏音

奏音の感想・評価

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ねちゃった……
現代美術の静止画のような
タイトルはともしび、とな、、、
大好きなシャーロット・ランプリングがそこに存在していてくれるだけで良い!
という映画だった。受け取れる情報量も台詞も極端に切り詰められ、初老の女性アンナの表情や仕草から滲み出て来るものを感じるしかなかった。
秘密を抱えている女性がよく似合う。凛とした佇まい。人生の末路、孤独を受け入れるしかない。
yuu

yuuの感想・評価

4.5
ファーストシーンのインパクト。
それぞれのシーンがとても丁寧に描かれる一方で、ものすごく観る方の想像力を要する作品。

何度も出てくるシャーロット・ランプリングの着替えのシーンが印象的。
フランス映画って感じだったな。基本人物を追わない固定カメラ。台詞も極端に少なく、音をたてないかわりに顔をよく映す。
夫が何をしたのか、本当に罪を犯したのか、手紙の話とかわからないことが多い。それだけ情報量が少ない中で、アンナの中にこみ上げる感情が刺さるほど伝わってきたのは、偏に女優の演技力に尽きる。

これにハマった人はミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』もきっと好き。みてください!

フランス映画は人の中の不確実な感情を静かに綺麗に映し出すから好きなんだけど、今回寝不足で観たのでちょっと寝てしまったのが心残り…。
skm818

skm818の感想・評価

3.6
子どもに対する犯罪疑惑で夫が収監されている女性の淡々とした毎日を追うだけの映画。シャーロット・ランプリングって口角が下がっているとこがいいよなあとか、ヨーロッパ系の人って肌のキメが粗いなあとか思いながら見てた。かなりの時間眠かったが、話らしい話はなかったような。こういう家族が収監されてる系のヨーロッパの映画見るたび思うんだけど、家族が逮捕されてても同じところに静かに住んで仕事も習い事も続けていられるのってすごい。日本だったら仕事を辞めて引っ越しせざるを得ず家にこもっててもマスコミが押し寄せて野次馬が壁に落書きしたりするじゃん。オープンな面会室なんかもないような気がする。それでも彼女は息子家族からは縁を切られるし(さすがにトイレで泣く)、飼い犬は夫を慕って餌を食べようとせず手放すことになり、演劇系のワークショップに通っているが胸が詰まって感情を出せなくなったりもする。もともとつましく暮らしててあんまり人と交わらない生活だったのかなーって気はするけど、孤独に追い詰められていく感じがすごい。最後、地下鉄に飛び込むかなーと思ったけど、それはなかった。生き続けていくほうが救いがない。そういう映画。
slv

slvの感想・評価

3.9
ベルギーのある都市に暮らす夫婦。静かな慎ましい生活を送っていた主婦のアンナは、ある罪によって夫が収監されてしまったことから、少しずつその生活の歯車が狂い始めるが…。

『まぼろし』、『さざなみ』、そしてこの『ともしび』。

まるでシリーズ化されているようなタイトルの、シャーロット・ランプリング様の主演作たち。

どれも、その圧倒的な存在感と演技力に見応えを感じていてとても好きなのですが、今作品はもう、シャーロット・ランプリング様の凄みをまざまざと見せつけるような演技が、さすがとしか言いようのない説得力で迫ってきた。

これはフランス・イタリア・ベルギー合作ですが、いかにもフランス映画的な素っ気なさ(?)と難しさで、苦手な人は多いと思うので、人にはおすすめしないけれど、究極だと思う。

そして、先にあげた3作品の中でも、これが一番しんどくて、ズシリときてしまった。

つ、つらい…。

観てからもう数日経つけれど、日を追うごとにじわじわくる感じ。

観た直後は、正直、唐突に終わるラストがあっけなくて、取り残されたような感覚だったけれど。

それでも、この作品の主人公のアンナのことを考えずにはいられなくなっていた。

説明が一切なく台詞も極限に抑えられている中で淡々と描かれていくアンナの日常生活。
そこから、この夫婦の過去を読み取り、アンナの置かれている状況を少しずつ理解し、彼女の心情を想像していく。

なぜ、アンナは息子にあんなにも拒絶されなければならなかったのか。

なぜ、トイレの個室で、アンナは独り嗚咽しなければならなかったのか。

なぜ、アンナは打ち上げられたクジラを見に行ったのか。

家族もいるのに、老齢にさしかかったアンナが、なぜこんなにも孤独な状況に置かれなければならなかったのか。。

これを観て、さっぱりわからない、つまらないとしか感じない、という人の方が幸せなんじゃないかと私は思う。

アンナの寂しさや哀しみに共鳴してしまった私は、この先の自分の将来に不安すら覚えてしまう。。
あの孤独な姿に未来の自分を重ねてしまいそうになったから。

このままいったら寂しい老後かも…と今から恐れている私には、あの孤独なアンナの姿は、とてもきつかった。。

あのラスト、アンナのその後の日々に、希望があるといいなと心から思う。
nakatsugi

nakatsugiの感想・評価

3.8
映画の意図とは違うと思うが、感じるのは老いていくことの憂い。夫の犯罪裏切りという要因はあるとしても、生活や社会のそこここで、必要とされない、いなくてもいい、居場所が無くなっていく感覚が真綿で首を絞めるようにじわじわとリアルに迫ってくる。元気で無垢な子どもたちや電車でエネルギッシュな感情を放つ若者たちと対照的に繰り返し描かれる。行く末は浜に打ち上げられどうにも処理できない鯨の死体か。そんな生きづらさをじっと受け入れながらも、動くことをやめないやめてはならないという淡い決意とプライドが生のバランスを保っている。ともあれすごい演技力。