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ともしびのsundayのレビュー・感想・評価

ともしび(2017年製作の映画)
4.0
老年になり夫を失い1人きりになった妻。いやおうなく変化はやってきて身を置かねばならない。

離別であれ、死別であれ、いままでいた夫がいなくなり1人きりの生活になると、とても不安に満ちた心持になる。ましてここでは何の罪かは分からないが収監であり、おそらくその理由により1人息子には接触を拒否されている。上の階の雨漏りにも1人で対処しなければならないし、飼い犬はおそらく夫になついていて残された妻がやる餌を食べない。孫の誕生日にかつて息子に焼いてやったケーキを持っていくも家先で追い返され、うなだれ帰路に着く。

こういった老年の不安な心細い心持や生活が、シャーロット・ランプリングの大写しで描かれる。年相応にたれた瞼としわのある体、への字ぎみに結んだ唇、それらがひとりの孤独と不安を体現する。公開時71才のそのみごとな?老体が晩年期の人生を描きだしている。女優が自分の肉体の老化を見事に受け入れ堂々と晒している、これが素晴らしい。現在の肉体を受け入れることは現在の精神もおかれた状況も受け入れることなのだと感じた。
いずれ遠くない先自分も経験するんだろう。

しかし監督はなんと1982年生まれでまだ35歳だ。母親とか身近なモデルがいたのか。


監督:アンドレア・パラオロ1982イタリア生
2017フランス・イタリア・ベルギー
2019.5.26劇場で