このレビューはネタバレを含みます
なによりも先にひとつだけ文句を言わせて下さい。ブレ過ぎ〜!思いっきり酔った…
主観映像の映画はいくつか経験してるけど、過去最悪に気持ち悪くなってしまったのが単純につらかったです。。
おれにとっては、初めての「観察映画」というジャンルの作品。ナレーションなんて無くても、いやむしろナレーションが無い方が映像が雄弁に語るものだ。
アメリカという国に静かに、かつ徹底的に侵入し、アメフト会場であるThe Big Houseを舞台にアメリカの現在地を浮き彫りにする手法に感銘を受けました。
おれは大部分の日本人と同じで、アメフトに興味がない。
そして想田監督もまた、アメフトに興味がないんだと思う笑。
清掃員や記者や配膳係やチア部隊には密着しても、どうもファンには距離を置いているように見えます。
だから分からん…なんで、お前らそんなにアメフトに夢中なんだよ。
なんで人々がこんなにも熱狂するのか説得力は有りませんが、この姿勢は、一方でスタジアムを巡る謂わば狂乱とも言える現象の中で、ひとつひとつの意義深い事象を諦観するのには役に立っています。
興味のない人にとっては、ただの利用すべきチャンスなのです。
チョコレートを売るチャンスで、缶ビンのゴミを集めるチャンスで、寄付を募るチャンスで、投票を呼びかけるチャンスで、教義を広めるチャンスなのです。
これはアメフトだけの物語ではない。
巨大な思惑があって、富裕層が支えて、対立が煽られて、人々が熱狂して、歯車が回る。
こうしてアメリカが1つの大きな家になる。
軍隊があって、宗教があって、人々は自分を守ってくれるものに感謝する。
多種多様な民族が、1つの国として纏まる。
これがお前らの、やり方か〜!