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博士と狂人のmomominnのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
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英国版「舟を編む」
辞書の編纂って大変!!!
しかも英語かぁ。語源とか変遷とか大変そう~~~。
「言葉は生きている」って「舟を編む」でも言ってた気がする…!

しかし歴史の長い英国で伝統のオックスフォード大学主導の一大プロジェクトなのに、
代表編纂者がスコットランド出身で学士号を持たない言語学者だったり、
最大の協力者がPTSDのアメリカ人元軍医だったり、
なんっっっじゃそら!!!
まさに「事実は小説より奇なり」ですね。フィクションでもわざわざそんなややこしい設定付けないわ。

「博士」のマレー博士は貧しさから独学で言語学修めた人で
物語の序盤では博士号を得てなかったし、
「狂人」のマイナー博士も元軍医さんだから博士と呼ばれてるもんで、
途中までこんがらがってしまった。。
てゆか、独学で言語学修めるって何!?
聞いたことも見たことも無い言語名出てきたよ??
ヨーロッパの言語体系って、どうなってるんだろう。
私にとっては聖書の原語版が英語じゃないの知った時も衝撃だったんだけどね??
でも引用としては聖書多そうだな。


私も語源を知るのは結構楽しくて好きなんだけど、
日本は漢字文化だけど文法的には中国とも韓国とも違うんだよね。
方言とかは多いけど、あんまり外国語と混ざりながら変遷してきたイメージ無い……
単語だけ抜き出したら音的にも近かったりするけど、文法が違うから単語だけ聞き取ることすら難しいもんなぁ。(私だけ?)


作中の女性が大人になってから文字を覚える喜びを知るシーンがあって、
時代的には珍しくもなかったんだろうけど(いや、でも普通に新聞とか出回ってる)、
物心ついた時には図書館通いしてた私には文字を知らない生活というのが想像もつきませんね。
調べ物はもちろん、メモもとれないなんて……ヽ(´д`)ノ

字幕読みながら、
当たり前に読み書き計算できる有り難さを噛みしめました。
(でも勉強は嫌いだけど★)


タイトルロゴのデザインで、
「博士」という文字をひっくり返すと「狂人」という文字になるようなやつがあって凄いの…っ!
日本語(漢字)のデザインだけど、役者さん達にも見て欲しい~。
言葉を取り扱う作品でこの遊び心よ☆粋ですなぁ。
こういう文字を「アンビグラム」というらしい…ってことを、2023年6月になってから知ったわ(笑)
3年後に「あの時のあれだ!」ってすぐ思い出すんだから、凄い感動だなぁ。
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