都会を離れ、気象観測士として僻地の孤島に派遣された主人公。島にはグルナーと名乗る灯台守、そして多数の『彼ら』が生息していた。
とりあえず日本のパッケージ(ポスター?)のセンスはなんとかするべきだと思った作品。いや、確かに分かりやすい。まぁ確かに間違ってはいない。でもこれ、お気楽B級映画ではなくないか???パッケージからは想像がつかない、なかなか凝った作品でした。
舞台の海辺が素晴らしい。この作品のキーワードである『孤独』が非常に引き立つ美しさ。暗闇を照らす灯台、鯨の残骸、小さな小屋。物語に引き込むには十分な要素が詰まっている。
反して脚本は、うーん。いいところと気になるところの差がかなり大きかった。
灯台守と主人公の対比。灯台守と一匹のそれの関係。主人公の変化など、面白い要素はたくさんあった。特に終盤の展開、灯台守の行動は色々と思うところがありとても印象に残った。
反面、孤島での生活感が全く感じられないところ。常にうっかりから始まる危機。迫力はあるものの納得できない戦闘シーン(装填にあんなに時間がかかるライフルであの数を捌けるの?)。ハラハラシーン作りのための必要性を感じないカット、など気になる部分も多かった。
予想したよりも真面目で文学的。でもエンターテイメント要素を組み込もうとして噛み合わなかった、少し勿体ない作品。