ゆたり

ライトハウスのゆたりのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.8
荘厳、神秘的、詩的、神話的、寓話的、幻想的、蠱惑的、怪奇的、狂気的、猟奇的、閉塞的、絵画的、芸術的

素晴らしい作品。
重厚で濃密な、圧倒的怪作。
最初のカットから美しい。
不穏で不快な、不規則だけど地の底からの意思を感じるようなサウンドも相まって、もうとにかくずっと美しくしすぎる画面。

正方形に近い画面が、圧迫感・息苦しさを与えると共に、覗き窓を通して2人の生活を見ているようで、こちらにも狂気の触手が伸びてきそうだ。
片目のカモメ。夢か現か。
誰が狂ってて、何が狂ってて、どこから狂っているのか
神話を観ているような、日本の怪談を聞いているような、
モノクロの画面から、妙な生々しさが伝わってくる。

とはいえ馬鹿たれなので、この作品の旨味を全然拾いきれていない実感があり、そして、そんな馬鹿たれにも伝わる程の作品の素晴らしさを言語化できる脳も持ち合わせておらず。無念。
でもでも、神話とか芸術作品とか精神分析学とかの予備知識が無くても100点満点に楽しめる映画だと思います。
予備知識があれば150点分楽しめちゃうよ!って感じで。

とりあえず公式解説含め色々拝見させていただいた後に、リベンジしたい所存であります。

絵画的、観念的、神話的、狂気的、これらをガツンと感じるという点でハウス・ジャック・ビルトを連想しました。
ゆたり

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