misty

ライトハウスのmistyのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.8
絶海の孤島に灯台守がふたり。ベテランと新人、吹き荒れる風の音とともに彼らの会話を見守る。
海鳥を殺せば不吉が起こる、理不尽な労働に怒りが爆発する、嵐に閉ざされた小屋の中で雨漏りが加速するように狂ってゆく。
視界は正気と狂気の間を行ったり来たり。
堪え難い海鳥の鳴き声。

二人の噛み合わなさ、話が合わずに衝突する様はベケットを思わせる不条理劇そのもの。ほぼ二人しか出てこない画面の中は俳優としての力を限界まで試し追い込むかのようで、それでも屈しないR.パティンソンとW.デフォーの底力を最初から最後まで楽しめる。この状況に置かれたらそりゃあ狂うと納得する。

あえて狙ってるのだと思うけど視覚効果はそんなでもないかな〜という感じなのだが、音響はまじの映画館仕様なので映画館で観るべき作品。海鳴り、風、嵐、甲高い海鳥の鳴き声、まるで自分がそこに本当に居るかのように全方位から押し寄せてくる音、音、音だった。
あと理不尽な労働はまじの純粋悪です。
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