映画館に何をしに来るのか、色々あるけど死にに来ているというのはだいぶあると思う。勿論大袈裟な話、まっとうに言うと臨死体験というか死にそうな目に遭う実感を得に来ている。危機的状況に震えたり思わぬ危険に驚いたり取り返しのつかないことになって辛くなったりしたい。実際にそんな目にはあいたくないが……
とても完成度が高い映画だと思うけどはじめて触れる何かとか予想外の突出とかは特になかった。もっと男性性への固執、煩労、対決、和解不可能性とか見せてくれるのかと思った。せっかく象徴的シチュエーションに役者2人連れてきたんだから…私がわからなかったわけではないと思うのだけど…登場人物3名全員同じ人と思うけど、殺人を扱うなら象徴的に何を殺したのか？何への殺人衝動なのか？わからないとただのトラウマのためのエピソードじゃん？と思って終わりなんだが…
