みーちゃん

ライトハウスのみーちゃんのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.5
満足。鑑賞後に思い残すことがない。ロバート・エガース監督の世界に浸り切ることができて、とても気持ち良かった。

全編に渡り、そして全ての事象において核心には触れず、チラ見せが貫かれていて悶絶した。

私は最初から、あの灯台の光源が一体何なのか、何が灯を放っているのか、物理的にも、心理的にも、気になって気になって、知りたくて知りたくて、仕方なかった。だから全ての場面でぶれることなくイーフレイム・ウィンズローに感情移入できた(と、自分では思う)。
 終盤、頂上の芯部にある、何とも形容し難い形象のレンズが内側から開いた時の、官能と恐怖の誘惑は、言葉では言い表せない魂の揺さぶりだった。

そして一瞬、前作"ウィッチ"のラストを彷彿とさせる表情だったので、えっ!と、心配した。なぜなら私は"ウィッチ"は、魔女になりかけた所で寸止めしたエンディングこそ、永遠の苦しみで、快感で、存在意義そのものだと思うから。

でも、あれはトマシンだから成立する表現であり、あれをここでも用いたらフラストレーションが溜まる!欲求不満!ここで終わるな!!と祈った。すると今回はここで終わらず、ちゃんと果てることができた。さすがロバート・エガース監督は分かってる。満たされた。

もし彼がもう一度この島に来るところからやり直せたとしても同じ結末になるだろうと思える。それが本作の深くて普遍的なところだと確信する。