倉持リネン

ライトハウスの倉持リネンのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.1
はぁ、、、すごい

白黒の狭い画面にむさ苦しい男が2人。

「サウルの息子」でしか見た事ないくらい正方形に近い画面いっぱいの狂気、グロテスクな表現の数々、怪獣の鳴き声のような灯台の音。。

そんな重苦しい映画に最後まで釘付けにさせたのは、名優ウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの圧倒的な演技力、
そしてその画作りの美しさであろう。


ロバート・パティンソンがカモメ殺すシーンとか、自慰や排泄のシーンなど、目を背けたくなる場面ばかりなのにカット全てがウェス・アンダーソンを彷彿とさせる程にバッチリ決まっていて、その執念こそ恐ろしく感じるような笑


緊張と緩和のバランスが取れた映画は見ていて心地よいが、この映画はもうずっっと「緊張」の連続。

いや、むしろ緊張が行き過ぎて笑える、みたいな部分もあったのでバランス取れてたのかも。

ラストに訪れる束の間の「緩和(?)」は、ここまで緊張させられたあとだと「呆然」に近い。

呆然としながら、ロバートのあの狂気の、、人間とは思えない恐ろしい笑い声を聞き、そして美しい光を確かに見た。


本当に美しかった。



公開時見れなかったのを残念に思っていたが、先にこっち見てしまってたら「Theバットマン」は物足りなく感じたかもしれない……

何度も見返したいようでいてもう見たくないような、不思議な作品。


しかし、食事中に見る映画では無かった笑
倉持リネン

倉持リネン