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環状線の猫のようにのHKのレビュー・感想・評価

環状線の猫のように(2017年製作の映画)
3.5
イタリア映画ですが原題を英訳すると“Like a cat on a highway”。
環状線だからお互い交わる(出会う)ことのない人生とか、交通量の多いハイウェイでは猫は長生き(長続き)できないとかの意味があるらしいんですが、今ひとつピンと来ないので
こういう時こそ邦題をもう少し工夫して欲しいもんです。ただの直訳じゃなくて。
せっかく誰もが楽しめるイタリアの社会格差も絡めたコメディなのに、日本劇場未公開だし邦題に手間かけたくないんでしょうかね。もったいない気がします。

お互いそれぞれがローティーンの娘と息子を尾行中、シンクタンク企業で働く裕福でインテリのジョバンニと貧困住宅地で暮らす全身タトゥーのモニカの衝撃的な出会いから映画はスタート。 片や妻に逃げられたバツイチ、片や旦那は別荘暮らし(服役中)。
ローマ中心部の富裕層と荒れ果てた郊外の貧困層の生活の違いが明るくコミカルに描かれます。

14歳の息子「20ユーロちょうだい」
モニカ「何に使うの?」
息子「タトゥーを入れるの」
モニカ「本当にタトゥーを入れたか後でちゃんと見せるのよ、ハイッ」
(20ユーロって日本円だと3,000円くらいか)

それぞれのファミリーには個性的な面々がいますが、忘れられないのがモニカの異母姉妹の太った迫力ボディの双子、衝動買いと称して万引きの常習犯です。
この二人が『モスラ』の小美人(ザ・ピーナッツ)みたいにセリフがいちいちハモるのがなんとも(“卵を返してください”みたいな、笑) 。

監督・脚本はリッカルド・ミラーニ(『これが私の人生設計』)という人。
主演の一人モニカを演じるパオラ・コルテッレージは監督の奥さんでもあり『これが私の~』に次いで2度目のタッグだそうです。
サルマ・ハエックにちょっと似た系(?)の美人ですが、イタリアでは人気女優、声優、脚本家、歌手もこなす才人で、昨年は初監督・主演作『明日がまだある』を撮ったんだとか。
ちょっと気になる存在。

あ、この映画には猫は出てきません(見落としてなければですが)。
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