いがらっしー

ナポリの隣人のいがらっしーのレビュー・感想・評価

ナポリの隣人(2017年製作の映画)
3.9
あの映画「家の鍵」のジャンニ・アメリオ監督の作品だし、岩波ホールでやっているのだから❗と観に行く。
「家の鍵」をこの映画でも重要な小道具として使っていてはっとさせられた。家とか家庭というテーマに主人公の老いた父親の話が中心だが、そこに隣人として出会った人達のエピソードが絡んで、人生の不条理を感じさせる。個人的には、隣人の母親が話したエピソードが一番衝撃的で、そのシーンの演技が印象に残った。このシーン以外にも人の感情が苦しいくらい見える映画だった。老いた男の若い頃には全く考えもしなかった後悔や寂しさ、自信のなさ、…といった歳をとる事による言葉に出来ない様な不快感を映画全体から感じ取れてしまう。そういった良い意味で後味の悪い映画…
ある程度年配にならないとこの面白さは理解出来ないかもしれない。
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