うみぼうず

シシリアン・ゴースト・ストーリーのうみぼうずのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

少し退屈だな…と正直思う場面もあったが、後半になるにつれ魅せ方と意図が分かってきて、さらにラストの一文に衝撃を受ける。

ジュゼッペのための映画であり、ルナの夢の続きの映画なのかもしれない。ジュゼッペは現実では(映画内でも)誰からも探されず無視されていたが、このストーリーが夢であって映画がある限りジュゼッペは鑑賞者の心の中に残る。
そこでは、少しでもジュゼッペに救いがあるように、見たかった海・心の中の海に行けたように思えるし、せめて魂はそうあって欲しい。タイトルがそのものを表している。

どこからが現実でどこからが幻想かの境目が分かりづらいが、ルナにとってはどちらも自分の中でたしかにあったこと。でも現実を生きなくてはならないし、その繋がりを強く持ち戻してくれるロレダーナはルナにとっての救い。

ずっと馬との触れ合いがあったのにジュゼッペの「心に海」は少し唐突に感じたし、ラストも乗馬の方が一貫性があったかもしれない。
スイス人て頑固なの?サウナ好きなの?特徴的な性格が分からないので少し困惑したが。

いろいろなことに想いを馳せる映画だが、また観るかというと…少し間を置きたいかな…。
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