そくらてす

シシリアン・ゴースト・ストーリーのそくらてすのレビュー・感想・評価

3.0
抽象的すぎるジュブナイル。絵にかいたような毒親、反抗心をシェアできる親友、そしてニケツという定石。一方で凄惨を極めた実際の誘拐事件を題材とするところにある切実さが、黄金にきらめく岩肌の美しさやときたまその姿を現す「ゴースト」なる存在のファンタジー性によって淡く掻き消されてしまっている気がして、もどかしかった。天びんが釣り合っていないというか歯車が噛み合っていないというか…正直退屈で早く終わってほしいと何度も何度も願った。ただまあ主人公ルナが自分を取り巻く世界にささげる脆くもするどい眼差しが全くの他人ながら誇らしく感じる瞬間も多々あり、これは「ティーンの色眼鏡を装着することで出来事の解釈を望む大人たち」に向けた作品なのかも、という考えも頭をよぎった。そういう意味ではこれ以上ない程に「切実な」映画なのかな。ジュゼッペの斜めの角度がふとティモシー・シャラメに見えなくもない。