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シシリアン・ゴースト・ストーリーのunapixのレビュー・感想・評価

4.0
13歳を間近に控えた少年が約2年、監禁された挙句に絞め殺され、硝酸で溶かされた遺体を海に流された 実際にシチリアで起きたはなし

1993年に起きたこの事件を全く知らず、ネットで調べようもあまりヒットせず、この凄惨な事件に対してこの情報量認知度、、、
監督は事件を風化させないようにとメガホンを取ったそう

幻想シーンはまるでおとぎ話のように美しい画だけど、それに混じり合う現実シーンはあまりにも残酷で救いようがない。
現実シーンの代わり映えしない淡々とした少年の状況はトラウマに近い感覚を覚えました。

それでも、序盤のふたりのやりとりやシチリアの自然の美しさはほんとうにきれいだった ほんとうにほんとうに
だからこそ、それを愛していた少年にまた自由を与えてほしかったって気持ちが強く強くなっていったんだと思う。

彼が消えてから一瞬も彼を忘れなかった女の子、大人のだんまりに物ともせずに探し続ける姿はバットエンドを知りながらつらくも力強さに見惚れた
そんな中、夢の中で何度も何度も会う少年はいつも変わらずに美しく、監禁中の少年の姿を見たらどう思うのかどんなに辛いかと考えずにはいられなかった

あんまりにも残酷なストーリーで安易におすすめはできないけど、映像美、音響(素人でもわかる!重厚でかなり作品を引き立たせていた)、魅せ方、詩的、なにしろ事実を知ってほしいから見てほしいと思える作品だった
もし、このレビューを読んでくれてとことん悲しい気持ちになってしまったとしても作品としてのラストはどん底なだけではないから安心してしてください 少しだけ、少しだけ光がありました

あと、フクロウは生と死の間を行き来する賢鳥らしい。それを踏まえるとふむふむとなる🦉
あとあと、水は死であり、生命。2人をつなげる。たどり着く。