ペンソー

シシリアン・ゴースト・ストーリーのペンソーのレビュー・感想・評価

3.3
ユーロスペースにてFilmarks試写会。

誘拐された男の子とその事件を追う女の子、そして沈黙するシチリアの街を舞台に、静かでちょっとファンタジックな物語が展開される。

オープニングは"エヴォリューション"にも通ずる不穏な空気感。
そこから中学生の男女の日常が展開され、ある時それがいきなり終わる。
そこからはひたすら失踪した男の子の行方を探し、主人公の女の子は様々な行動に出る。
夢と現実を行ったり来たり、家族との問題も抱えながら、女の子はひたすら男の子を探し続ける。
ラストのほうでこの作品が実話を基にしているということを一気に認識させてきて、あまり明るいラストとは言えなかったけど、それでも主人公の女の子は救われたんじゃないだろうか。

現実の世界に少しだけファンタジーな要素が組み込まれているという、とても好きなタイプの作品だったけど、ファンタジーな要素のほうが薄すぎてあまり作品に絡んでこなかったので、そこだけちょっと残念でした。
でもこの作品の主題はあくまで実話の部分だと思うので、こういう事件があったということはかなりの驚きでした。
ペンソー

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