目を背けたくなる現実とそうあって欲しいと願う幻想。
二人が創り出す美しい世界は互いの心を繋ぎ止め、残酷で受け入れ難い現実さえも超越する生きた証。
その幻想と対比するように突きつけられる理不尽な現実はよりその恐ろしさや苦しみを引き立たせるという皮肉。
絶望の中にどのような形であれ何かしらの希望を見出すこと。
これは現実逃避とも取れるものだが、二人にとってはそんな先の見えない闇をも照らし出す輝き、もしくはそれ以上の救いだったのだろう。
しかし、精神的な救い、精神的に繋がる二人の関係性があるからこそ、余計に待ち受ける現実の辛さに打ちひしがれた。
