どうも好きになれない感覚が拭えないのだが、美しい物語であることに違いはない。
どうして映画監督と言われる人々はこうも美しい瞬間を演出できるのか。
現実が苦しければ苦しい程、ファンタジーの引き立て役として飛躍する。
現実で起きている事件は、静かなバイオレンスにリアリティが溢れ辟易とするが、どこから現実でどこまでがフィクションなのかわからなくするようなストーリーの運び、仕掛けに飽きることはなかった。
愛することに夢中で、夢から抜け出せなくなり、このままどこかに連れていかれても、私はそれでいいのだと、心から思えるような恋をした彼女達の想いはとても刺さったし、実在したジュゼッペにとっては、これ以上ない救いのストーリーだと感じて胸を痛めた。
