いの

シシリアン・ゴースト・ストーリーのいののネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます



エンドロールに入る前、哀悼の意を表す文を読んだ時の、なんとも言い難い、心にずっしりと重い石を置かれた感覚が、今も残っている。「嗚呼、知ってしまった」と思った。映画を観ながら、それは想像していたことではあったけれど、遥かに超えていた。短い文で、それがどれ程のことだったのか、ちゃんと伝わってくる。ここまでの物語があるから。


知ってしまったからには、知らなかったところには戻れない。帰り道、もういちど映画を心の中で反芻してみる。森を探し回ること。深く潜ること、深いところで繋がること。手を伸ばし、相手の手を繋ぐこと。その手を離さないこと。


沢山の生き物が出てきた。吠え立てる犬よりも、黙して語らない大人たちの罪深さ。小さなリーフレットには、赤いコートの少女ルナと、緑のセーターのジュゼッペ少年が、振り返って、じっとこちらを見つめている。赤と緑の物語、120%の純愛が、惨い現実の残虐性をあぶり出す。