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チャンブラにてのmatsuのレビュー・感想・評価

チャンブラにて(2017年製作の映画)
3.8
ジョナス・カルピニャーノ監督作品。

切なく心が苦しくなる映画でした。実話に近い内容のようです。

ロマ(ジプシー)の民族が多数住んでいる、イタリアのスラム街、チャンブラが舞台。

14歳にして酒と煙草をたしなむ少年のピオが主人公。彼は本名もピオであり、出演している人はみな素人で、ロマの人たちのようです。

彼らはロマであるため迫害され、超貧困であり、まともな職に就けない。

犯罪でしかまとまった金を得ることができないため、ピオは兄や父親から窃盗などの犯罪を上手くやる方法を学ぶ。

ある時、犯罪がバレて兄と父親が逮捕され刑務所に入ることになる。

収入源が断たれたピオの家族はピンチに陥る。

もうピオが犯罪で稼ぐしか方法がない。

(10人以上いる)家族を養うため、責任を持って?危険を顧みずピオは犯罪をおかしていく。

時には、とても世話になっている大親友のアフリカからの移民アイヴォを騙してまでも、彼は自分の家族のために泣きながら(=アイヴォに申し訳ない気持ちで)犯罪をおかす。

貧困なロマたちはまともな仕事に就けないから犯罪をおかす。生まれてきた子供の成長を待ち、犯罪を教えて引き継ぐ。その繰り返しが負のスパイラル(連鎖)となる…

非常に心苦しい作品でした。チャンブラのロマの人たちが、いつの日か良い環境に転じる事を心から祈ります。
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