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ザ・プレイス 運命の交差点のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

カフェの奥席に座る男のもとに悩みや問題を抱えた人々が入れ替わり立ち代わりやって来る。彼らの相談に対し、男は無理難題を突き付けてそれを実行すれば願望は適うと語るのだが......という話。
イタリア映画。アメリカのドラマのリメイクらしい。

カフェで対面で座る主人公と相談者との会話劇という形式だけで約1時間半の上映時間をもたせている斬新な作品。
主人公が要求した難題についての経過も全て9人の相談者が語る内容のみで、具体的な場面の映像が全く無いのも何気に凄い。ポール・ハギス版の「クラッシュ」を連想するような巧みな群像劇だった。

最初は複数人の荒唐無稽な依頼が次々と掲示されて、理解が追いつかないまま進行するのだが、それらが次第に繋がってそれぞれの結末に向かっていく過程はドキドキさせられた。主人公の一見無茶苦茶な要求が各人が自分でも気づいていない本当の望みを浮かび上がらせるのも面白かった。主人公やカフェ店員の謎めいた正体が明かされないのも効果的だった。

ただ、複数人の相談者の運命が繋がっていく流れにはかなり無理やり感があった。例えば修道女と盲目の男のエピソードは主人公にたまたま依頼した二者が偶然知り合って交際に至ったようにしか見えなくて、主人公に特殊な能力があるとか二人が出会うよう策を講じたなどの具体的な理由が無いので、観ていてモヤモヤしてしまった。あと、全員が幸せになるわけではないのも後味が悪かった。

カフェで紙燃やして離席するのは危ない。
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