ピピン

ザ・プレイス 運命の交差点のピピンのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作だと思う!
今のところ今年のベスト!

自分の願いの為に「無理難題」を提示され、各々が翻弄しながら交差して行く展開が面白い!
そして段々と見えてくる各々の人間性が本当に興味深い!

しかし、ストーリーを直接的に観ても謎が残りスッキリしない。

この話は宗教、もしくは宗教的な構造体のものに対するアンチテーゼなのだろう。

カフェにいる謎の男は、「契約」と言いノートに記述された言葉を読み上げる。
これは神との契約を意味するもので、この男は預言者、ノートは聖書の様なものだろう。
預言者とは神の言葉を伝える存在で、キリストもその一人だ!

登場人物達は自分の願いを叶える為に契約し、預言者の言葉を聞こうとする。

願いは深刻なものから欲望的なものまで様々だ!

本来なら、人生はどんなに辛い事実を突き付けられても向き合って対峙しなければならない!
しかしこの登場人物達は「神頼み」というドーピングで解決しようとしているのだ。

男は「無理難題」を押し付け「強制はしない」と言う。
それでも登場人物達は何とかして実行しようともがくのだ!
例え望みを叶えても元の自分には戻れ無いのに…

「怪物に餌をやる」
怪物とは人間の心の弱さだ!

結局これは宗教では何も解決出来ない事を意味している。

男の言う「無理難題」は事実を受け入れろと言う事の裏返しだったのだ。
しかし結果は怪物を育ててしまっただけ!

痴呆の夫を救いたい老婆は
「夫が元に戻っても、私は元の私では無い」
と言い、カフェを爆破場所に変更する!

この「プレイス」というカフェは一体何なのだろうか⁈
ある種の世界の縮図とも取れるし、そもそも存在しない場所で概念の世界なのかもしれない。

もしこの老婆が真相に辿り着いたのなら、この宗教という概念の世界を爆破する事で願いが叶うのだろう!

しかしそうで無いなら、欲望という怪物によって世界は破滅に導かれる事を警告している様な気がするのだが…

男は憔悴しカフェの店員に
「預言者を辞めたい」
と言う。
店員はエンジェルだったのだ!
ピピン

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