tetsu0615

ザ・プレイス 運命の交差点のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見終わったあとから、この映画について幾度となく考えてしまう映画だった。
なかなか自分の考えがまとまらないので、端的な感想だけでも書いておこう。

カフェ"ザ プレイス"に佇む謎の男。彼と契約し任務を果たせば、願いが叶うらしい。そんな彼に様々な願いを持った者たちがやってくる。

「病気の息子を救いたい」

「夫との関係を回復させたい」

「アルツハイマーの夫を戻したい」

「美人になりたい」

「視力を回復させたい」等々…そんな彼らに男が課す任務は

「見ず知らずの少女を殺せ」

「知らないカップルを破局させろ」

「爆弾を仕掛けろ」

「強盗をしろ」

「女を犯せ」等々…そんな見ず知らずの他人を巻き込む無謀な要求に臨む彼らの運命が時に交わりながらも、全く彼らの動向は描かれず、カフェでの男との会話という「報告」のみで映し出される人生を巡る人間ドラマ

自らの欲望を叶えるために他人の運命を変える必要があるー彼らは初めは葛藤するものの、自らの願い・欲望のために行動を開始する…
人間の欲望、それに他者を犠牲にしてでもかまわないという人間の業を描いたような本作だが、これは「選択」と「人生」そして我々の物語ではないだろうか?

謎の男に与えられた願いを叶えるための任務。それを実行するのを「選択」したのは彼ら自身だ。それに伴い、自らのそして他者の人生が変化していく…
これは我々の人生-まあ願いを叶えてくれる謎の男はいないが-にも言えることではないか?

百貨店で買い物をしたい。その欲のため店員を呼ぶ。それは店員の時間を(意地悪な言い方をすれば)奪うということだーつまり我々の日常にも欲望の対価に他者の運命を変えているかもしれない場面はある。(例えとして合ってるか微妙だが笑)

そんな誰の人生にもある場面を、"謎の男"と"願いを叶えるための任務"というスパイスでミステリアスに味付けした映画であり、それをカフェのほんの片隅の会話だけで表現するというウィットな作品ではないだろうか?

その"謎の男"の正体は分からないままだ。
彼が任務を与えた彼らの辿る運命は様々だ。任務の果てに願いにたどり着いたのにも関わらず思ってもみない結末を迎える者も多く…
"謎の男"は少しばかり運命の行く末を
見ることが出来るようだ。
契約した彼らを時に巡り会わせたりしながら、彼らの報告を聞く男だが彼の見えない運命にたどり着く彼らに時として絶望しているようにも見える。

そんな"謎の男"が表しているのは"人生はままならない"ということなのかもしれない。

願いとそれに伴う代償ーそれが見えている特殊な男。そんな彼が導いた彼らですら思いがけない結末を迎えるー

終盤、店の"アンジェラ"という女性と話す男。「もうこの任に疲れたよ」と語る彼にアンジェラはー

ラストカット、残された彼の手帳と燃える紙(任務を終えた人の手帳を彼は燃やしていく)
彼もまた、新たな選択をしたのだろうかー

なかなか頭から離れない不思議な魅力を放つ映画だ


ちなみに、もっと長ったらしいバージョンのレビューもあります笑
まだまだ考える余地のありそうな作品なのでまた日にちを置きながらレビューをアップデートしていこうかな